der Zipfel

daily diary : started on October 05 2005.

note;text_ postal works series3




 


出会ったものに場所を与えたいという気持ちが

私にとっての作るということの出発点になっています

場所を与える=配置をするということは

世界を理解する そして想像してゆくために必要なことです

私のまなざしが ひろいあげたモノたちをある場所のなかに

配置していく作業を何度も何度も繰り返してゆくことは

私にとって日常の訓練のようなものです

閉じた世界の訓練のようにもみえるけれど 実際はとても解放感のある作業です

ほんの少しの部品によって 世界を作ってゆけるのです

だんだん だんだん 形容詞をとりのぞいてゆくような作業になります

なにも形容詞や価値は存在しなくなり モノとの出会いだけが

私を浄化してくれる装置のようになって出現するのです

1989年2月11日に額のはいっている箱をあけたら硝子がわれていました

雲形定規のように割れた硝子の様子は とてもうれしいものでした

薄くて固い板にそのまま形を写して定規を作りました

お日様にあてて その形を紙に残したこともありました

ある日 自転車に乗って 曲がった角のゴミ置き場に捨てられていた

ロールの紙を見つけました たぶん洋裁の型紙を写すための紙

だいぶ古そうで ずいぶんと変色していました

雨にさらされてもいたのでくたくたになっていました

紙魚のついた様子が うれしくて うれしくて それをパネルにきっかりと水貼りして

   そうして 定規で線を描きました

おはるさんの形見の鏡を小さな記詩が割ってしまったとき

鏡の下から黄ばんだ薄用紙がでてきました

とっても きれいできれいで なんてすてきって

小さな記詩を抱きしめて喜んだことをよく覚えています

ぼろぼろの薄い紙を保管していくのは大変なことでした

同様にぼろぼろになった好きな詩集のページと並べる訓練をしながら

   そうして 定規で線を描きました

計算もなく テーマもなく ただ そうしてあるだけ

その様子ほど 私の気持ちにぴたりとはまりこむものはありません

私は 自分で形を作り出すことはできないけれど

こうして 出会って どおもありがとうって言いながら その形をなぞる

   そんなことが そんなことが

私を現実という器の中で溺れないようにしてくれるおまじないのように思えます    




 

photo by yun




 
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